三好市西祖谷山村の旧有瀬小学校校舎を改修した民宿「楽校の宿 あるせ」に、地区特産の「山茶」をメニューに用いた「山茶カフェ」が月2回程度、開店する。秋ごろまでの予定で、地区に人を呼び込むとともに山茶をPRする。
三好市では、標高の高い山間地の斜面に自生する在来種の茶を総称して山茶と呼んでいる。地元特産品のPRに官民で取り組む三好ブランド構築委員会が、生産農家3戸と協力し「天空ノ山茶」として売り出している。
カフェでは、山茶の粉末を振りかけたこしあん餅と市産そば粉を混ぜたそばぼうろ、水出し山茶を組み合わせたセット(500円)などセットメニュー3種類、山茶スムージー(300円)や冷たい山茶(200円)などドリンク7種類を提供する。和菓子製造の経験がある市地域おこし協力隊の加藤有美さん(29)=同市池田町サラダ=がメニューを考案した。
民宿は4月から地元の生活改善グループ「有瀬つくし会」が営業を始めている。民宿の運営に協力する集落支援員の柏木茂さん(60)=同市山城町川口=が、観光客から「昼食や休憩に利用できる場所がない」という声を聞いたことから、カフェを企画。山茶を生産している平松功さん(60)明美さん(62)夫婦=同村有瀬=や加藤さんに協力を依頼した。
7月23日のプレオープンでは、地区住民や県外客ら約30人が訪れて味わった。友人と3人で訪れた安達美恵子さん(59)=会社役員、同市池田町中西=は「山茶の粉はほろ苦く、あんとよく合っておいしい。天気も眺めもいいし、すてきなカフェ」と笑顔を見せた。
初回の営業は14日。柏木さんは「有瀬地区や山茶のことを広めたい。きっかけとなって若者の移住やUターンにつながれば」と意気込んでいる。