スマートフォンで撮影した写真を投稿する会員制交流サイト(SNS)「インスタグラム」の利用が広がっている。見栄えするという「インスタ映え」が流行語になるなど、若い女性を中心に人気を集める。積極的に情報発信し影響力を持つ人は「インスタグラマー」と呼ばれ、徳島県内でも全国から注目されている人たちがいる。どこにいても世界に発信できる時代。徳島発の写真とアイデアが多くの人たちの心を引き付けている。

 

 

  「わたを」さん

   がっつり豪快 手作り弁当

   本業は看板製作 「いつか料理屋を」

 

 看板製作の会社を営む西川渡さん(44)=徳島市八万町下福万=は、「わたを」のユーザーネームで知られる。昼食の手作り弁当を撮影した個性的な写真が人気を集め、現在11万人以上のフォロワーを誇っている。

 唐揚げや焼き鳥など多彩な高カロリー料理を豪快に盛り付けるボリューム感が魅力だ。いずれも「曲げわっぱ」と呼ばれる木の弁当箱からはみ出すほどで「飛びつきたいぐらい食べてみたい」「ギュウギュウ感が素晴らしい」などのコメントが寄せられ、1万7千件を超える「いいね!」が付く写真もある。

わたをさんがインスタグラムに投稿した写真の一枚

 西川さんは「写真映えを狙ったわけではなく、あり合わせの材料で食べたいものを作っているだけ。いっぱい詰めているのは、その方がおいしく見えるから」と笑う。

 始めたのは2年ほど前。親戚に勧められたのをきっかけに、約3年前からほぼ毎日作っていた弁当を興味本位で投稿した。当初反応は薄かったが、投稿するごとにフォロワーが増加。1万人を超えたあたりから知名度が一気に上がり、千単位で増え始めたという。

 レシピ本の依頼も5社からあり、4月に「がっつり、うまい! わたをメシ」(KADOKAWA)を出版した。西川さんは「インスタを始めて新しい夢ができた。これからも投稿を続けて、いつか料理屋でも開ければ」と話している。

 西川さんのインスタグラムは<https://www.instagram.com/n.watao/>。

 

 

 

  「syoko.riiin」さん

   育児ママ向けコーデ提案

     期間限定で実店舗も開く

 

 「syoko.riiin」こと秋吉翔子さん(27)=徳島市=のフォロワー数は約4万5千人に上る。妊娠中だった14年6月頃に趣味で投稿を始め、転機となったのは16年末。出産後にネット通販専門のセレクトショップを立ち上げた。そこで服の写真を投稿し始めたところ、フォロワーが徐々に増えていった。

 育児体験を踏まえ、動きやすくスニーカーに合う機能性の高い服でも、シルエットをかわいく見せるコーディネートなどを写真で提案している。「ママになってもかわいい服を着たい」という女性フォロワーからのニーズを捉え、「しょうこさんの秋コーデ楽しみ」「洋服がすてき。参考にさせてください」などのコメントが並ぶ。

syoko.riiinさんがインスタグラムに投稿した写真の一枚

 大阪や京都、福岡などで期間限定の店舗を開いており、フォロワーだけでなく、芸能人なども購入に訪れるほど。秋吉さんは「インスタのおかげで、アパレル業界で憧れていた人ともつながりができた。県内に実際の店舗も開いてみたい」と目標を抱いている。

 秋吉さんのインスタグラムは<http://www.instagram.com/syoko.riiin/>。