徳島市出身の日本画家、福山明玉(1876~1955年)が描いた「七福神阿波踊」が、同市立木工会館で展示されている。「招福」の象徴である七福神が乱舞に興じる姿を表現したユニークな作品で、同市の書画収集家(71)が所蔵していた。21日まで。
絵は縦41センチ、横57センチ。七福神が打ち出の小づちを持って踊ったり太鼓や笛を奏でたりする様子から、心浮き立つ雰囲気が伝わってくる。
徳島城博物館の小川裕久学芸員が鑑定し、絵に記された署名などから明玉の作品と判明した。明治・大正期の阿波踊りにあまり使われなかった大太鼓が描かれていることから、昭和の初めから半ばの作品とみられる。
明玉は名東郡新居村(現徳島市)生まれ。小学校教員を務めた後、日本画家の川合玉堂に師事し、帝展に出品するなど活躍した。
徳島ゆかりの画家、板東秋岳が戦前の阿波踊りを描いた掛け軸も16日まで展示している。