鳴門市は16日、地域バスの運賃を65歳以上の運転免許証返納者は半額にする方針を同市地域公共交通会議で示し、了承された。高齢運転者の安全対策を推進する県警の依頼を受けた措置で、導入時期は未定。
地域バスは、市が所有するマイクロバスとワゴンバスをタクシー会社に委託して運行している。2路線あり、運賃は鳴門駅や鳴門競艇場前を巡る「市内循環線」が一律100円で、鳴門駅と里浦町粟津間を往復する「里浦粟津運動公園線」が一律200円。導入後はそれぞれ50円と100円になる。
会議には、会長の山中英生徳島大大学院教授ら13人が出席。議員からは「自主返納者を増やすには増便が有効だ」との意見もあり、市は「利用状況などをみながら検討したい」と述べた。市は、市地域バス運行条例の改正案を市議会9月定例会に提出する。
県警は今年4月、自主返納を促すために県内全域でバスを運行する徳島バス(徳島市)に割引を依頼。同社に補助金や委託料を払って自治体内を運行してもらっている徳島、鳴門、小松島、三好の4市と東みよし町にも理解を求めた。
鳴門市は「地域バスも導入すべきだ」と判断した。徳バスの路線については今後、同社と協議する。
免許証返納者に対するバスの運賃割引は、つるぎ町のコミュニティーバスや美馬市のデマンドバスなどで導入されている。