田んぼの中にたたずむ雌のコウノトリ=16日午後3時ごろ、鳴門市大麻町

 鳴門市大麻町で3月に初産卵しながら4月19日に徳島を離れ、中国地方などを転々としたあと兵庫県朝来市に滞在していたコウノトリの3歳の雌が、大麻町の巣に戻っていたことが16日、分かった。約4カ月ぶりの帰巣に地元住民らは「帰ってきてくれて良かった」と喜んでいる。

 鳴門市役所に12日、市民から「3羽のコウノトリを見た」と電話があり、コウノトリ定着推進連絡協議会の県の担当らが巣の近くで雌を確認した。雌は、朝来市生まれの3カ月の雄2羽と一緒に巣の近くで過ごしたり、餌を食べたりしていた。

 雄の2羽は、5日までは朝来市でこの雌と一緒にいたことが確認されており、雌と共に鳴門市に飛んできたとみられる。雄の2羽は13日午前にも巣の近くの電柱に別々に止まっていたが、午後には姿が見られなくなった。

 4月まで雌と営巣していた別の雄は、7月23日に徳島を離れたあと同月31日に京都府で姿が確認されたが、現在は居場所が分かっていない。野鳥の会県支部の三宅武支部長は、雌が帰ってきた理由について「雄と繁殖期を2回過ごした場所であり、餌が豊富な土地だと記憶していたからだろう」とみている。

 地元でコウノトリを見守る浅野由美子さん(42)=大麻町桧、パート従業員=は「予想外でびっくりしたが、とてもうれしい。このまま定着して雄も帰ってきてほしい」と話している。