阿南市加茂谷地区の住民らでつくる「加茂谷へんろ道の会」は、市内の古い遍路道などを紹介するパンフレット「あなん遍路史跡めぐり」(縦約21センチ、横約40センチの四つ折り、写真)を2千部作った。携帯して道沿いの史跡巡りなどに役立ててもらう。同市をはじめ小松島市、那賀町、勝浦町の四国霊場、道の駅など10カ所で無料配布している。
一宿寺(阿南市加茂町)と四国霊場21番札所・太龍寺(同)を結ぶ「かも道」や、太龍寺と22番・平等寺(同市新野町)を結ぶ「いわや道」「平等寺道」、太龍寺周辺の「太龍寺道」をカラー地図で掲載。札所までの距離を示す丁石や、転がってきた大きな岩を弘法大師が拳で受け止めたとの伝説がある「こぶし石」といった周辺の史跡などとともに紹介している。
歩く際に役立つ情報も豊富に載せた。各道の総距離や所要時間に加え、休憩所や民宿の位置を地図に記した。折れ線グラフを使ってスタート地点からゴール地点までの高低差も表示している。
同会は、昨年9月にも市内の遍路道や史跡を紹介する情報誌「加茂谷を歩く」(8ページ、タブロイド判)を発刊している。さらに、遍路道や史跡に興味を持ってもらうよう、持ち歩きしやすいポケットサイズのパンフレットを作ることにした。
横井知昭会長(70)=阿南市水井町東、農業=は「より多くの人が遍路道に訪れるきっかけになればうれしい。実際に持ち歩いて遍路の歴史や文化に触れてほしい」と話している。