鳴門で出土する「コダイアマモ」とされる化石。海草ではなく、生物の巣穴跡と分かった(県立博物館提供)

 鳴門市や上板町などで産出する世界最古級の海草といわれていた化石は、ミミズのような生物の巣穴だったことが、徳島県立博物館の調査で分かった。近年有力だった「生物の痕跡」説を裏付けた形だ。

 博物館などによると、化石は愛媛県から和歌山県にわたる約7千万年前の和泉層群から出土する。細長い葉が放射状に広がるような形をしているためアマモ科の海草の祖先と考えられ、1931年に「コダイアマモ」と名付けられた。しかし、アマモが生えない水深千メートルの地層であることなどから、90年代以降は生物の痕跡との見方が強まっていた。

 博物館と小竹信宏・千葉大教授らの共同調査班は2006年に鳴門市で初めて全体が復元できる化石を発見。分析の結果、海草の「根」は「葉」がある砂の層とは年代が異なる泥の層から伸びており、「葉」の成分は植物化石に含まれる炭素ではなく泥であることが分かった。

 このことから「根」は巣穴の入り口、「葉」は細長いミミズのような生物が巣穴を掘り進めた跡と断定した。

 博物館の中尾賢一学芸員は「コダイアマモ論争に決着を付ける決定的証拠だ。同時代の動物や植物の研究にも影響する可能性がある」としている。

 化石は博物館で開催中の「トクシマ恐竜展」(9月19日まで)で展示されている。