農作業に汗を流す徳島大「アグリクラブ」のメンバー=石井町の県立農業大学校跡地

 4月に徳島大に新設された生物資源産業学部の学生が農業サークル「アグリクラブ」を発足させ、精力的に活動している。「知識を学ぶだけではなく現場も知らなければ」と、学生自らが設立した。農業の未経験者ばかりだが、専門的な学習の基礎にしようと奮闘している。

 井角康寛部長(19)らが会員制交流サイト(SNS)を通じて同級生に呼び掛け、「農業をやってみたい」「学部の実習だけでは足りない」などの思いを持つ約30人が集まった。5月上旬から石井町の県立農業大学校跡地の畑で活動している。

 農業のノウハウは、本やインターネットを駆使して学んだ。耕運機などの農機具もないため、約600平方メートルの畑をくわとスコップで耕し、畝を作って肥料を埋める。キュウリやカボチャなど比較的強そうな野菜を植え、毎日交代で水やりや草むしりをしている。

 野菜が成長するにつれ、農業の大変さを痛感するようになった。当初は無農薬で育てようとしたものの、害虫被害が想像以上に深刻で、キュウリが一部枯れてしまった。メンバーは「農薬を使わざるを得ない」と決断し、無農薬で栽培することがいかに難しいかを身をもって体験した。

 植物学を学びたいと思って入学した平田結風(ゆいか)さん(19)は、現場も知りたいとクラブに加入した。「実際に育ててみて、農家がどんなことに苦労しているかが初めて分かった。気候の変化や害虫に強い品種を作るなど、農家に役立つ研究を考えたい」と、クラブでの活動が学習目標にもつながっている。

 クラブでは今後、畑を拡張したり新たな作物も植えたりし、活動の幅をさらに広げることにしている。