繭玉から糸を取り出す生徒たち=吉野川市の吉野川高

 吉野川高校(吉野川市)の生物活用、食ビジネス両科の3年生10人が、明治末期から昭和初期にかけて同市内で盛んだった養蚕、製糸業について学ぼうと、蚕の飼育から糸作り、加工品の販売まで行う「蚕プロジェクト」を始めた。繭玉から紡いだ絹糸の風合いを生かしたオリジナル作品を商品化して、今秋に校内の産直市で販売する。

 取り組んでいるのは、生物活用科の染色コースの8人と食ビジネス科の希望者2人。昨年度、校内で蚕の飼育を試験的に始め、今年6月には飼育している蚕5千匹から繭玉5キロを収穫した。

 現在は夏休みを活用しながら純白で傷みの少ない0・5キロの繭玉を煮て生糸を取り出す作業を続けている。精錬を経て絹糸に仕上げる予定だ。

 7月上旬には商品開発のヒントを探るため、絹糸を使った小物作りに取り組む四国大で学生からミサンガの編み方や、繭玉を薄くはがして花びらに見立てる造花の作り方を教わった。絹糸の藍染や草木染も試すなどして商品のアイデアを練り上げる。

 活動の様子は動画で撮影し、ツイッターなどの会員制交流サイト(SNS)を通じて発信する。

 養蚕は、明治30年代から藍作に代わる産業として吉野川流域を中心に広がった。同市も一時は筒井製絲をはじめ10社以上の工場が立ち並ぶ県内有数の養蚕、製糸業の町だったことにちなみ、農業、商業系学科を持つ学校の特色を生かして商品開発を学ぶことにした。

 生物活用科の松浦由依さん(17)は「繭からきれいな糸が取れるなんてびっくり。作るからには多くの人に喜んでもらえる商品に仕上げたい」と意気込んでいる。