仙谷由人官房長官が11日、徳島新聞など報道各社のインタビューに応じた。「各省大臣は堂々と現場に出て、法執行や政策化に努めてほしい。私は内閣のゴールキーパー役を務める」と意気込みを語った。

 -官房長官としての抱負、意気込みは。

 サッカーW杯が始まったが、各省大臣はフォワードの人もミッドフィルダーの人もいる。私がゴールキーパー役を務めるので、堂々と現場に下りて、国民と共有する視点で法執行してほしい。現場で感じた課題、矛盾を普遍化できるものは政策化してもらいたい。

 -政と官の関係をどのように構築するのか。

 つくづく感じるのは官僚内閣制の制度疲労。(府省間の)縦割り、横割りの壁が物事の決定と執行を阻害している。部分最適から全体最適を、省益より国益を実現できるようにしたい。官邸のガバナンス(統治)で必要なのは政治的、政策的なダメージコントロールをどうするかだが、それを全体として行える体制になっていない。官房長官としてのリーダーシップを発揮し官僚機構を見直したい。

 -菅直人首相は官房長官が米軍普天間飛行場移設問題にどう取り組むかを検討すると明言した。

 私の立場、情報ではまだ答えられない。東アジアの平和と繁栄のため、沖縄の皆さんにどこまで犠牲的環境を甘受していただけるのか、段階的にどう解消できるのかという観点で考えたい。米国と戦略対話が必要だ。広い枠組みで虚心坦懐(たんかい)に話してみたい。(在日)米軍の兵力構成や、基地提供について考える必要がある。

 -内閣官房報償費(機密費)の公開は。

 悩ましい話だ。もともと何十年か後に公開するかどうかを議論するものだと思っていた。これまでも短兵急な質問が多く返答に困ってしまう。自らも汚れず相手も一線を越えない有用、有効な使い方があるのではないか。鳩山内閣より前の内閣の分も含めてどうすべきか検討したい。

 -首相は所信表明で超党派の財政健全化検討会議の創設を提案した。

 衆参合同会議や両院の委員会、共有する考えを持つ人たちによる集まりなど、どういう形がいいのか、これから分析する。日本がギリシャ化しないよう志を持つ。時期がくれば、いろいろなところに働き掛けたい。(2010年6月12日掲載)