夏祭りで子どもにタコ焼きを振る舞う吉田会長(左から3番目)ら地域住民=阿波市阿波町岩津の八幡神社

 阿波市阿波町の岩津地区の住民グループ「岩津大ナマズクラブ」が、地域のにぎわいやつながりを取り戻すため、さまざまな催しを開いている。8月には夏祭りを初めて開き、四季のイベントがそろった。原動力となっているのは、過疎化や住民同士の関係が希薄化する地域への危機感。メンバーは意気込み、住民たちも「交流が広がった」と喜んでいる。

 グループは30~80代の10人が中心となって2013年12月に発足した。春には、地元の歴史に親しんでもらうウオーキングなどのイベントを開き、地元の八幡神社の秋祭りには、段ボールでみこしを製作し、子どもたちが担いで繰り出すようにした。年末には、鏡餅など正月用の供え物を家族で作る催しを行ってきた。

 さらに多くの住民が参加できる企画として、8月7日には夏祭りを同神社で開いた。地区の子どもが通う林小学校の保護者ら30人の協力を得て、タコ焼きやかき氷などの屋台を出店し、阿波踊りも踊った。約120人が集まった。

 小中学生の娘2人を育てる芝洋子さん(44)=同市阿波町乙岩津、主婦=は「祭りの運営を通して保護者の知り合いも増えた。地域全体で子どもを育てようという機運が高まっている」と語る。

 設立のきっかけは、13年10月にあった八幡神社の祭り。みこしを担いで地区を練り歩いた、大ナマズクラブの吉田勝己会長(73)=同市阿波町南整理、農業=らが神社に戻ったとき、境内に人の姿はなかった。吉田会長は「地域のつながりが薄れ、これはいかんと思った」と振り返る。

 グループの名前は「岩津に大ナマズが住む」という伝承から取った。吉田会長は「近所で交流が少なくなっているのは都会だけではない。顔の見える関係を築くことで、子どもの見守りや災害時の連携の強化にもつながるはずだ」と力を込めた。