楽しく充実した部活動にするにはどうすればいいのか。まずは練習に工夫を凝らして、限られた時間を効果的に活用する方策を探りたい。

 徳島県内の24市町村教委が中学校の部活動の負担を減らすため、「週2日以上の休養日を設ける」「平日の活動時間は2時間まで」などを柱とする方針をまとめた。

 スポーツ庁が3月に示したガイドラインに沿った内容だ。東みよし町では年間に参加する大会数を絞るなど、独自の内容を盛り込んだ教委もある。学校ごとに求められている「活動方針」の策定も県内各校で進む。

 背景には、長時間の練習が生徒のけがのリスクを高め、教員の過重労働につながっていることがある。生徒も教員も無理することなく、安心して部活動ができる環境を目指そうという狙いである。

 スポーツ庁の昨年の調査では、運動部の休養日について「週1日」とした中学校が約6割を占めた。中高の運動部顧問を対象にした調査によると、半数以上の教員は公務が多忙で思うように指導できないと答えている。

 本県でも、運動部の休養日については同様の傾向にある。一方、公立中学校の教員一人当たりの月平均残業時間は「過労死ライン」の80時間を上回っている。

 教員の心身の健康が損なわれるようでは、教育の質の向上は期待できない。生徒にとっても、十分な休養が取れなければ勉学がおろそかになったり、家庭生活とのバランスを崩したりしかねない。

 ただ、競技志向の強い生徒や期待する保護者もおり、一律の見直しに慎重な意見もある。高い目標を掲げて達成することに大きな価値を見いだす人たちにも配慮が要る。

 生徒の希望を十分に聞いて競技力が落ちないよう努めるなど、幅広く理解と協力を求めながら実効性を確保していかなければならない。

 文部科学省は昨年度、部活動の指導や試合の引率を外部の人材に認める「部活動指導員」の制度を設けた。専門知識を持つ競技経験者らを念頭に置いたものだ。うまく導入すれば、教員の負担軽減になるとともに、意欲を持つ生徒の刺激になるだろう。

 県教委が今月まとめた働き方改革プランの素案には、部活動の適正化や外部人材の活用が盛り込まれた。活発な意見を交わしてほしい。

 少子化によって、学校単位での部員確保が難しくなっている現状もある。自民党の調査会は3月、運動部活動の抜本改革に関する緊急提言案を公表。中学校などを拠点に住民主体の地域スポーツクラブを創設し、移行させていく構想を打ち出した。

 生涯にわたりスポーツを楽しむ人が増え、価値観は多様化している。部活動の在り方も、さまざまな立場から柔軟に考えたい。生徒が主役であることを忘れずに、教育現場や地域社会が望ましい姿を目指して知恵を絞ってほしい。