フジグラン北島=北島町鯛浜(2011年撮影)

 イオンは12日、中四国でスーパーなどを運営するフジ(松山市)と資本・業務提携すると発表した。2019年2月末をめどにフジの発行済み株式を最大15%取得する。取得額は約130億円の見込み。食品スーパー事業をブロックごとに再編して地域への密着度を高める方針を既に発表しており、フジとの提携で中四国での競争力を強化する。

 中四国では、今年4月にセブン&アイ・ホールディングスとスーパー大手イズミが提携を発表しており、流通大手を巻き込んだ競争が激しくなりそうだ。

 フジは19年3月以降にイオン傘下のマックスバリュ西日本の株を取得する。イオンとは商品の共同調達や地域限定の自主企画ブランドの開発、電子マネーなどの共同利用などで協力する。

 イオンは中四国で傘下のマックスバリュ西日本、マルナカ、山陽マルナカの統合を発表している。東京都内で記者会見した岡田元也社長は3社にフジを加えたい考えを示し「地域を一番知っているフジに全体を束ねてほしい」と話した。提携により、21年以降、4社合わせて売上高1兆円達成を目指すとしている。

 フジの尾崎英雄会長は「中四国は人口減少が進んでいる。自分たちの力だけでは困難になった時代に、パートナーを検討していた」と述べた。競合店舗の閉鎖には否定的な考えを示した。

 イオンは、徳島県内でイオンモール徳島のほか、マルナカが26店舗、マックスバリュ西日本がザ・ビッグ3店舗を展開している。

 フジは四国4県と広島、山口で食品スーパーやショッピングセンターなど96店を営んでおり、徳島県内にはフジグラン北島など5店舗がある。18年2月期の連結売上高は2985億円、純利益は56億円だった。