養液栽培で育てたキュウリを収穫する「きゅうり塾」の受講生=海陽町吉野のスマートグリーンハウス

 海部郡の特産品・促成キュウリの担い手を育成する「海部きゅうり塾」の受講者が育てている養液栽培のキュウリが、徐々に販路を広げている。3月末から収穫を始め、現在はJAかいふが京阪神へ1日150~200キロを出荷。今月26日からは県内スーパー・キョーエイの小松島、阿南両市の5店舗で販売されることになった。

 JAかいふなどが海陽町吉野に2月に建設した、キュウリでは県内唯一の養液栽培のビニールハウス「スマートグリーンハウス」で育てている。前年度にスタートした塾の受講者が中心となって管理を担い、本年度は県外から移住してきた30代の男女3人が作業に汗を流している。

 養液栽培のキュウリは成長速度が速いため、通常の土耕栽培のキュウリと比べて皮が薄く、シャキシャキとした食感と甘みが特徴という。京阪神市場には通常のキュウリと包装などを変えて出荷。価格は通常のキュウリと同程度で、安定して出荷できるようになってきた。

 さらに、地産地消を図り、産地の認知度を高めて新規就農者の確保につなげようと、JAなどがキョーエイに協力を依頼。京阪神向けと並行して週2日程度、毎回300キロを卸すことが決まった。キョーエイは5店舗で、3本入り1袋160円程度で販売する。

 塾は、JAかいふと県、同郡3町が取り組む「きゅうりタウン構想」の一環。高齢化で生産量が落ち込んでいるキュウリ産地の再生を図るのが狙い。ハウスでの養液栽培は気候に左右されず、経験の浅い農家でも安定した収穫量が期待できるとして、栽培のモデル作りを進めている。

 JAかいふの豊田穂営業部長は「養液栽培のキュウリは全国的にも珍しい。生産者を増やして特産として全国に発信したい」と話した。