全国林業経営推奨行事の農林水産大臣賞に選ばれた橋本光治さん(左)と延子さん=那賀町臼ケ谷

 林業の発展に尽力した個人や団体を表彰する「2016年度全国林業経営推奨行事」(公益社団法人大日本山林会主催)で、那賀町臼ケ谷の林業橋本光治(みつじ)さん(70)、延子さん(65)夫妻が最優秀の農林水産大臣賞に選ばれた。山の自然を壊さないように細い作業道を張り巡らせるなど、環境に配慮した独自の森林経営が評価された。

 夫妻は、所有する約110ヘクタールの山林で管理から伐採、搬出まで一貫して営む「自伐型林業」を実践する。作業道は幅約2・3メートル、法面(のりめん)の切り取り高1・4メートルと、2トントラックが通れる最小限の規模で、周辺の木々への影響がほとんどない。延長は約30キロと面積当たりで通常の2倍以上で、木を搬出する労力とコストを大幅に削減している。

 山林は杉とヒノキの針葉樹のほか、広葉樹が3割を占める混交林。広葉樹の落ち葉が腐植土と呼ばれる栄養豊富な土壌になり、保水力も向上するなど、持続可能な森林管理も進める。

 光治さんは「山林の荒廃や林業の低迷が指摘されているが、工夫次第で山も守れるし小規模でもやっていける。受賞を励みに今後も頑張りたい」と話している。

 20道県から28の個人や団体が推薦され、橋本さん夫妻を含む8件が農林水産大臣賞に選ばれた。県内で農林水産大臣賞を受賞したのは05年度以来で、7件目。11月8日に都内で賞状伝達式が行われる。