新聞週間が始まった。報道の使命と責任を果たしているか、改めて自省と自戒をする機会である。

 代表標語は「真実と 人に寄り添う 記事がある」だ。作者の主婦友野美佐子さん=東京都=は「インターネットにはない、ファクトを追求し人間の心を伝える記事をこれからも読みたい、との思いを込めた」と語っている。県民読者も同じ思いだろう。

 新聞の魅力について、中学3年生の作家鈴木るりかさん=同=はこう述べている。「毎朝必ず届くこと。台風でも大雪でも、よくこんな悪天候の中を、という朝もちゃんと届いている。それだけで、もう頼もしい」

 インターネットの普及で若者の新聞離れが進む中、うれしい限りである。その期待に応えられるよう、心新たに新聞製作に取り組みたい。

 何よりも、信頼される新聞でなければならない。そのためには、真実を正確に伝えることが重要だ。

 しかし、残念なことに昨今は、「フェイク(偽)ニュース」という言葉を耳にする機会が多くなった。トランプ米大統領が、批判した大手メディアに対する攻撃の道具として多用し、広がった。メディアの信頼を失墜させる悪意に満ちた言葉だ。

 よく言われることだが、言葉は時に凶器ともなる。ネットの世界では往々にして言葉が一人歩きする。わが事として、胸に刻んでおかなければならない。

 ところで、鈴木さんは悪天候でも届く新聞を頼もしいとたたえてくれたが、困難に直面することは少なくない。地震や台風などの自然災害がその最たるものだ。

 そのとき、真っ先に頭に浮かぶのは、「どうやって届けるか」「どうすれば届けられるか」ということである。

 気象や道路事情などさまざまな状況を考慮し、製作時間を普段より早めるなど、臨機応変に対応しながら「届ける」ことに全力を挙げる。新聞が刷り上がっても、配達員を抱える各販売店の全面協力なくしては届けられないことは言うまでもない。

 これは、新聞に携わる者の使命である。では、災害時の報道はどうか。

 今年に入っても、北海道地震や西日本豪雨など大規模な災害が起き、徳島県内でも台風や豪雨被害が相次いでいる。徳島新聞は県内だけでなく、県外の被災地の実情も伝え、検証記事も載せている。それは、次なる災害に備えるためでもある。

 本県では南海トラフ巨大地震の発生が予想されている。これまで以上に、地震や津波に関する各機関の調査・研究内容を詳しく掲載するとともに、地域の現状や取り組みなどをきめ細かに伝えていく必要があると認識している。

 地域や県民の防災・減災力を高めるため、私たちは常に県民一人一人に寄り添い、必要かつ正確な情報を発信していく。