徳島市の富田中吹奏楽部員やOBによる演奏会「吹奏楽の夕べ」が14日、34年ぶりに復活した。10代の現役部員から70代までの61人が同市の県立21世紀館に集い、約150人の聴衆を前に、アンコールを含む11曲を会場に響かせた。
吹奏楽の夕べは、1958年から毎年7月に市文化センターで開いていたが、他の文化部の催しと統合されたため84年(第27回)を最後に休止となった。OB部員などから復活を求める声が上がり、同校が練習場所を提供するなどして再開にこぎ着けた。
この日は、元顧問で県吹奏楽連盟会長の糸谷安雄さん(76)=同市名東町3=らが指揮。70年代の朝礼で演奏していた「士官候補生」などの行進曲メドレーで幕を開け、本年度全日本吹奏楽コンクール県大会で演奏したコンサート・マーチ「虹色の未来へ」などを披露した。
卒業生の音楽家住友紀人さん(54)=東京都=も駆け付け、映画音楽「追憶のテーマ」をアルトサックスで奏でた。
糸谷さんに指導を受けていた沼津浩子さん(53)=兵庫県西宮市=は「母校で練習できたのも、糸谷先生の指揮で演奏できたのも、本当にうれしかった」と感無量の様子。2年の赤澤早奈英部長(14)は「普段より大勢で、年代の違う人と一緒に演奏できて楽しい。今後も続くなら出演したい」と笑顔を見せた。