美馬市の国道438号の三頭トンネル内で、居眠りをしてワゴン車を運転し、対向の軽乗用車と正面衝突して5人を死傷させたとして、美馬署は1日、牧田久前市長(75)=同市美馬町柿木=を自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の疑いで徳島地検に書類送検した。署は、事故の重大性を考慮して「厳重処分」の意見を付け、起訴を求めた。
送検容疑は、5月5日午後4時10分ごろ、同市美馬町上野田ノ井の三頭トンネル内で、ワゴン車を運転中に一時的な居眠り状態に陥って中央線をはみ出し、対向していた軽乗用車と正面衝突。軽乗用車に乗っていた4人のうち高松市の70代夫婦と70代男性の3人を死亡させたほか、70代女性に外傷性くも膜下出血など6カ月の重傷を負わせた。また、ワゴン車に同乗していた妻に脳挫傷など2カ月の重傷を負わせたとしている。
前市長は容疑を全面的に認めており、調べに対して「事故の結果は重大で、相応の罰を受ける」という趣旨の供述をしている。
署などによると、事故は、前市長が高松空港に家族を見送りに行った帰りに起きた。運転中、眠気に襲われ、事故現場の20~30メートル手前で中央線をはみ出していることに気付いたが、ハンドルやブレーキの操作が間に合わず、対向の軽乗用車と衝突した。時速40~50キロ程度で走っていたとみられる。
軽乗用車は中央線をはみ出した前市長のワゴン車に気付いて減速し、時速20、30キロ台で走行していたとみられる。
前市長は5月16日付で市長を辞職した。