政府は2日、東京一極集中是正に向けた中央省庁の地方移転に関し、今後の対応方針を発表した。消費者庁は2017年度に消費者政策の研究・立案拠点を徳島県に設け、全面移転の可否については新拠点の実績などを踏まえ、3年後をめどに判断する。安倍晋三首相が本部長の「まち・ひと・しごと創生本部」が対応方針を決めた。河野太郎前消費者行政担当相が退任前の会見で示した方針が、ほぼそのまま政府方針に盛り込まれた。

 新拠点は30~40人規模の「消費者行政新未来創造オフィス」(仮称)で、来夏ごろの稼働を目指す。消費者庁や国民生活センターのほか、徳島県、企業、学術機関などの職員で構成し、消費者施策の分析や研究、実証実験を集中的に行う。

 ◎松本担当相「新たな処方箋つくる」

 松本純消費者行政担当相は2日の閣議後の会見で、消費者庁移転について、政府が新たな研究・立案拠点を徳島県に設置すると決めたことに、「引き続き(全面移転への)検討を続けるということ」との認識を示した。

 松本氏は、本庁の職員がさまざまな案件対応に追われ、現場感覚を磨くのが難しい現状を説明。「徳島での新オフィスではこれまで行うことのできなかった研究・分析・実証実験を通じて現場仕込みの政策をつくりたい。徳島県や周辺地域の皆さんにも協力をいただき、全国に通用する新たな処方箋をつくっていく」と決意を述べた。

 ◎全力でサポート

 飯泉嘉門知事の話 移転の第一歩となる消費者行政の創造拠点として、徳島県に消費者行政新未来創造オフィス(仮称)を2017年度に開設する旨が明記されたことを大いに評価したい。今後とも消費者目線・現場主義に立ち、新拠点の整備と新次元の消費者行政の創造に向けて消費者庁を全力でサポートする。3年後の検証・見直しまでを進化加速期間と位置付け、挙県一致で徳島への全面移転の実現に向けた取り組みを強力に推進する。