県水産研究課の水質調査で見つかった赤潮プランクトン(同課提供)

 ハマチの養殖が行われている鳴門市沖で、赤潮の原因となるプランクトンの密度が一時急上昇し、県水産研究課と地元漁協の連携プレーで被害を免れていたことが分かった。赤潮が発生すると数十億円規模の被害が出る恐れがある。発生頻度は近年低下しているものの、定期的に水質調査を行い、迅速に連絡する態勢をとってきたことが奏功した。

 県水産研究課によると、7月19日に播磨灘で行った水質調査で赤潮プランクトンが増加していることが判明した。同課は沿岸7漁協にファクスで注意情報を送った。

 ハマチの養殖を大規模展開し、年間売り上げが40億円に上る北灘漁協は連絡を受けて餌やりをやめ、いけすをプランクトンの密度が低い水深まで沈めるよう漁業者に指示。同月28日の調査でプランクトンがさらに増え、密度はハマチが死に始めるとされるレベルにまで達したものの、対応策をとっていたため被害は出なかった。

 県内沿岸では1972年に赤潮発生で578万匹の養殖ハマチが死に、25億円の損失が出たのが過去最悪の被害。直近では2003年の赤潮で29万1千匹が死に、6億6千万円の被害が出た。

 こうした経験を踏まえ、県水産研究課は被害を最小限に食い止めるため、赤潮の発生時期となる6~8月にかけて週1、2回、9~5月は月2~4回の調査を実施。職員が養殖いけす付近の沖合に出て海水を採取し、顕微鏡でプランクトンの有無を確認している。

 餌やりをやめていけすを沈めると、ハマチの死亡率が減ることも他県での比較試験で実証されており、漁業者に対応策として周知していた。

 今回、赤潮プランクトンの密度が一時急上昇した際、ハマチの出荷時期と重なっていたこともあり、漁業者に不安が広がった。北灘漁協の松下有宏組合長は「過去に大きな被害を出した赤潮プランクトンとは別種のものだったが、油断はできない。今後も県と協力して警戒したい」と話している。