[上]化学グランプリで銀賞を受賞した久次米康太さん=徳島市立高[下]銅賞を受賞した蛭子蒼太さん=徳島文理高

[上]化学グランプリで銀賞を受賞した久次米康太さん=徳島市立高[下]銅賞を受賞した蛭子蒼太さん=徳島文理高

 全国の中高生らが化学の知識や技能を競う「化学グランプリ2016」(「夢・化学-21」委員会、日本化学会主催)で、徳島市立高校3年の久次米康太さん(18)が銀賞、徳島文理高校3年の蛭子蒼太さん(17)が銅賞を受賞した。国内トップレベルの若者が集う大会だけに2人は入賞を喜び、今後の学習に意欲を見せている。

 大会には小中高生3792人が参加した。7月18日に全国66会場で行われた1次選考では、有機化学や物理化学などの筆記試験に臨み、上位78人が8月19、20両日に名古屋大であった2次選考に進んだ。2次では糖の種類を実験で判別してリポートをまとめる課題に挑戦し、大賞5人、金賞16人、銀賞19人、銅賞37人が選ばれた。

 久次米さんは化学の教諭に勧められて昨年から挑戦を始め、今年初めて2次に進んだ。過去の出題で使われた実験器具を徳島大理工学部で見学するなどして備え、当日は落ち着いて実力を発揮することができたという。

 大学進学後は量子力学を学びたいと考えており、「受賞を励みに今後も基礎を大切にして学習を深めたい」と喜んでいる。

 蛭子さんは、勉強を重ねるほど発見があると感じられる化学が好きで、自分の実力を測ろうと2年前から挑戦してきた。初めての2次では全国の生徒のレベルの高さを実感でき、大いに刺激を受けたという。

 高校の化学の教諭を目指しており、「受賞できてうれしい。大学でより深く学び、化学の面白さを生徒に伝えられる教師になりたい」と話した。

 グランプリは化学の普及啓発を目的に1999年から開かれている。今年は県内から75人が参加したが、2次に進んだのは2人だけだった。