徳島県鳴門市大麻町の「板東俘虜(ふりょ)収容所跡」の国史跡指定が15日付の官報で告示された。県内の国史跡は11カ所目。
収容所は1917年に開設され、第1次世界大戦のドイツ兵捕虜約千人を収容した施設。約5万7千平方メートルの敷地のうち、国、徳島県、鳴門市が所有する約3万7千平方メートルが指定された。
2007~11年に鳴門市教委が発掘調査し、捕虜を収容したバラッケ(兵舎)や製パン所などの建物の基礎、れんが積みの構造などを確認。松江豊寿(とよひさ)所長(1872~1956年)の人道的な対応や、地域住民との交流を示す印刷物や写真などの資料も多数残されている。近代の軍事や外国人との交流に関わる遺跡として重要と評価された。