徳島県が目指す「スポーツ王国とくしま」の実現は、まだ遠そうだ。

 福井県を舞台にした第73回国民体育大会「福井しあわせ元気国体2018」で、県勢の天皇杯(男女総合)順位は45位に終わった。

 昨年までの4年間は46位で推移。今年は最下位転落が心配される中、選手たちの奮闘で一つ順位を上げた。

 ただ、県が目標とする30位台には程遠く、39位の宮崎県との得点差は173点ある。短期間では到底埋められない力の差を直視しなければならない。

 徳島の総得点は607・5点(参加点400点を含む)と、昨年を6点下回った。得点に関係する入賞数39(団体8、個人31)も昨年の47から減少した。それでも順位を上げたのは、個人の優勝と団体の入賞が増えたからだ。

 個人ではまず、冬季大会(山梨)のスピードスケートで新山強選手が県勢初優勝を飾り、勢いづけた。本大会に入ると、ライフル射撃や重量挙げで優勝が続き、徳島のお家芸が競技力をしっかり維持していることを裏付けた。

 団体は、昨年出場すらできなかった弓道が奮起。成年男子遠的が台風による日程短縮で1位となり、成年女子近的も入賞を勝ち取った。サッカーの成年男子は7年ぶりに四国予選を突破し5位。昨年に続く2度目の出場となったラグビー女子も初勝利を挙げ7位と健闘した。

 団体の入賞数を見ると16年が2、17年は4、18年は8と前年から倍増した。しかし、ここからさらに順位を上げるためには、まだ足りない。

 個人競技よりも得点が高い団体の強化は、徳島県の長年の課題である。少子化やスポーツの多様化をはじめ、優秀な選手の県外流出などを背景に、全国で勝つことが難しくなっている。

 あと一歩のところで勝利を逃す選手が多いことから、県はメンタル面や医科学面からの支援を強化。スポーツに親しむ子どもを増やして裾野を広げようともしているが、一朝一夕にはいかない。

 そんな中、四国大がスポーツ強化を打ち出し、存在感を増している。陸上の投てき種目をはじめ、発足間もないソフトテニス部と女子ラグビー部は、今大会の両競技入賞に貢献した。

 全国で活躍した県内外の人材を指導者に迎え、選手獲得に力を入れており、知名度が上がれば今後も有力選手が集まるだろう。

 企業や大学は、一度県外へ出た徳島のトップ選手を呼び戻す際、受け皿になり得る。各競技団体は企業や大学と協力し、強化方法に知恵を絞ってほしい。国体の好成績を求めて新たな強化策を模索する中で、徳島のスポーツ界全体が活性化されるはずだ。

 県や県体育協会は、工夫する競技団体を積極的に後押ししてもらいたい。スポーツ施設の老朽化も進んでおり、やるべきことは山積している。