道が二つに分かれている。こっちが楽しい道とすると、こっちは何の道と思います? 楽しい道の反対は楽な道。同じ楽しいという字を書くけど、楽しい道というのは道なき道なんですよ。めちゃくちゃ苦しい道。びびった量だけ、わくわくする。これが法則。

 びびりがないところに、わくわくは少ししかない。楽しいけど、それだけつらく、ストレスがあり、プレッシャーがある。その中で、もがけばいい。僕も新しい事業をするときはめちゃくちゃびびって、めちゃくちゃ思案する。まるで人格が2人いるかのようだ。

 確実に予言できるのは、未来は今と違うということ。人はいずれ死ぬし、世界は変わっていくし、経済環境や自然環境は変わっていく。それに対応しようとしても、マクロレベルでは予測できるけれど、ミクロや事業レベルでは、ほぼ分からない。

 よく誤解されているが、事業を進める中で壁にぶつかったとき、どうにかして貫こうとする。けど、一番いい方法は「あっ壁だ。こっちに行こう」と回避すること。目的やゴールではなく、アイデアを愛してしまうと、どうしても貫こうとする。

 「やってもいいんちゃうん。失敗するのは当たり前。また、やればいい」。そういう文化をつくれないだろうか。例えば、10年前に事業をスタートさせたころから、この人のことを見守ってきた、応援してきたというストーリーが一つでも二つでも生まれれば、挑戦を許容する文化となり、徳島が日本のシリコンバレーとなる。

 事業を成功させるには運もいる。ある分野の事業をやりたいと思っても、そっち側に知り合いがいないこともある。でも、友達の知り合いにいる可能性はある。友達や知人に、自分が考えていることやアイデア、悩みを話していると、その知り合いとつながるかもしれない。

 運を良くするということは、人と会うこと。どんないいアイデアでも、どんなにお金があっても、運がなければ、事業は成立しない。アワードに来たら運が良くなる-。そんな場になればいいね。

 わたなべ・とおる オフィス機器メーカー退社後、ビジネススクール・グロービスの立ち上げに参加。起業ケースを多数作成する。その後、ビジネス企画会社アンサーを立ち上げ、IT会社ダンクソフトの経営に参加。2011年に神山町のサテライトオフィスプロジェクトに携わり、現在は、徳島を日本版シリコンバレーにするべく、さまざまなプロジェクトに関わっている。キキーキャートは、徳島で地域活性に関するコンサルティング事業などを展開する一般社団法人として14年に設立。岡山県出身。53歳。