新造船「フェリーびざん」から貨物を運び出すトレーラー=徳島市のマリンピア沖洲

 徳島と東京、北九州を結ぶオーシャン東九フェリーに9日、新造船「フェリーりつりん」(約1万3千トン)が就航する。大型化した新型フェリー全4隻の就航が完了し、輸送量は大幅に増える。2019年度には四国横断自動車道の徳島東インターチェンジ(IC)が完成し、高速道路へのアクセスも格段に向上。海上輸送における同航路の役割は高まりそうだ。

 「全4隻がそろったので、今後、営業活動を強化していく。利用しやすいように運航スケジュールの変更も考えたい」。6日、徳島市の徳島グランヴィリオホテルで開かれた就航記念パーティー終了後、運航するオーシャントランス(北九州市)の高松勝三郎社長は利用拡大へ意欲をみせた。

 同社は旧型フェリーの老朽化に伴い、約200億円をかけて4隻を新造船に切り替えた。燃料効率を考えて大型化し、いずれも全長191メートル、幅27メートル。旧型の約1・7倍となる190台分のトラックやトレーラーを積載できる。

 旧型が就航していた15年度は7万4440台のトレーラーやトラックを積載した。環境に配慮して排出ガスを抑制するため、輸送を船舶へ転換するモーダルシフトが進んだ結果、利用が増加。「積み残しが増えた」(同社)という。

 大型化への運送業界の期待は大きい。医薬品や食品を扱う大輪総合運輸(鳴門市)の森本英樹社長は「陸上輸送と比べてコストは安いが、曜日によっては満載で利用できなかった。積載台数が増えて利用しやすくなる」と歓迎する。

 県トラック協会の粟飯原一平会長(東海運社長)も「運転手が長距離を敬遠する傾向にあり、海上輸送を上手に利用すべきだ。モーダルシフトにより運転手不足の緩和にもつながる」と指摘する。

 徳島東ICの完成もプラスとなる。マリンピア沖洲の新ターミナルから徳島東ICまでは約1・5キロ、自動車で約3分と近い。高速道路へのアクセスは向上する。四国内では東京との唯一のフェリー航路で、他の3県からの利用拡大も見込まれる。県運輸政策課は「四国内の人・物が集まり、海の玄関としての役割が高まる」と活性化に期待する。