グルメサービスが導入した予約注文・決済アプリ=徳島市北田宮4の「えびす屋 北田宮店」

 スマートフォンを使って商品の注文から支払いまでスムーズに完結-。徳島県内の飲食業界でこうしたシステムの導入が進みつつある。待ち時間短縮による顧客満足度の向上が目的で、店舗の人手不足を背景にした業務の効率化も図っている。

 外食チェーンのグルメサービス(徳島市)は、8月に同市北田宮4にオープンした唐揚げ専門のテークアウト店「えびす屋北田宮店」で予約アプリを導入した。無料アプリをダウンロードして利用する。事前に商品と受取時間をアプリで通知すると、待つことなく購入できる。クレジット情報を登録しておけば、店舗で会計をする必要もない。

 モバイルオーダーシステム開発会社・ショーケースギグ(東京)のアプリ「O:der(オーダー)」を活用した。グルメサービスは、グループ会社が運営する飲食店での導入も検討していく。

 鍛谷徹社長は「共働き世帯が増え、時短の需要が広がっている。待ち時間がほぼゼロになることで満足度を高めたい」と言う。

 徳島駅クレメントプラザ地下1階の飲食店街「徳島駅バル横丁」に8月オープンした洋風創作料理店「ナルトベースドットバル」では、客席に掲示されたQRコードをスマホで読み取ると、店内での飲食の注文や土産物の発注、クレジットカード決済での代金の支払いなどができる。

 客側が注文することでオーダーミスがなくなるほか、従業員は別の業務やコミュニケーションで顧客サービスを向上できる。現金の集計に掛かる時間やストレスが抑えられる利点もあるという。

 システムは、同店を運営するブエナピンタ(鳴門市)の大関興治社長が代表を務めるIT会社・セカンドファクトリー(東京)が開発した。大関社長は「少人数のスタッフで切り盛りできる仕組みをITで実現している」と話した。