徳島市の遠藤彰良市長は12日、徳島新聞の取材に対し、新町西地区再開発事業に代わる中心市街地活性化策の代替案について「複数案ある」と述べ、10月中に発足させる有識者会議でこの案を検討してもらう考えを明らかにした。これに先立つ同日の市議会代表質問で市長は、近く庁内に「中心市街地活性化推進本部」を設け、その下に「中心市街地活性化」と「音楽・芸術ホールの整備」に関する二つの有識者会議をつくる方針を示し、そこで具体的な施策を協議することを表明した。
代表質問後の取材に対し、市長は、代替案が複数あることに言及し「内容は言えないが、市民からは民間活力の活用などさまざまな案が寄せられている」と説明した。その上で「有識者会議に複数案を示し、具体化できるかどうかを含めて検討する」と述べ、現在は私案である代替案を会議にかける考えを示した。
市長は再開発事業を進める再開発組合と4月に行った初めての協議で「代替案はある」と説明していたが、中身については「現計画との比較になってしまう」などとし、明言を避けていた。代替案を有識者会議で協議してもらうことにした理由については「事業を巡る裁判が提起され、長期にわたって地区の活性化に取り組めない状況になることを懸念した。裁判と並行して地区の活性化を検討することにした」と語った。
この日の市議会代表質問で市長が9月中に設置すると答弁した中心市街地活性化推進本部は、市長や副市長、関係部局長で構成する。推進本部の下に10月につくる予定の有識者会議は、市街地活性化会議で新町西地区の再生策や眉山山頂の整備案などを協議し、ホール整備の会議では新ホールの整備の方向性のほか、文化センターの耐震改修の是非や建て替え案なども検討する。