ペットボトルやストローなど使い捨てプラスチックごみの削減に向けた取り組みが、世界的に広がっている。

 日本でも、環境省が本格的な議論をスタートさせたほか、外食企業を中心にプラスチック製ストローを廃止する動きも出始めた。

 国連環境計画(UNEP)などによると、世界のプラスチックごみの発生量は2015年に3億トンを超えた。1980年代の6倍に上り、今後さらに増えるという。

 とりわけ、深刻なのが海洋汚染だ。生態系に悪影響を与え、人体にも被害を及ぼす懸念があるとされる。

 プラスチックごみの削減は各国の責務だ。国や企業だけでなく、私たち消費者も生活スタイルを見直すなど一層の努力が求められる。

 環境省の中央環境審議会は「プラスチック資源循環戦略」の策定に向け、専門家による委員会を立ち上げた。

 同省は戦略の素案に、2030年までに排出量を25%削減するとの数値目標を初めて盛り込み、目標達成へ小売店などにレジ袋の有料化を義務付けるほか、微粒子状のマイクロプラスチック削減なども求める。19日に予定される委員会に提示する方針だ。

 6月の先進7カ国(G7)首脳会議では、プラスチックのリサイクル目標などを定めた「海洋プラスチック憲章」を採択したが、日本は米国とともに署名を見送った。

 対策に後ろ向きとの批判もあっただけに、実効性のある具体案を期待したい。

 容器包装などに使われる石油系プラスチックの代替製品として、トウモロコシやサトウキビなどの植物を原料にしたバイオマスプラスチックや、紙を生産する企業を対象に補助制度の創設も検討中だ。脱石油化を目指すもので、評価できよう。

 こうした動きは産業界にも広がっている。レストランやコーヒーチェーン店などによるプラスチック製ストローの廃止はその一つだ。企業の自主的な活動に対し、国はしっかりと後押しし、加速させてほしい。

 とはいえ、クリアすべき問題は少なくない。処理施策はその最たるものだろう。

 日本の15年のプラスチックごみの排出量は915万トン。再利用されたのは22%の205万トンにとどまり、うち161万トンが中国などに輸出された。しかし、中国は輸入を禁止する政策に転換しており、行き場がなくなりつつある。

 一方、国内で回収後に焼却された量は600万トンを超えている。二酸化炭素の発生源となるごみの焼却には、脱炭素化を進める国際社会から厳しい目が向けられている。

 焼却と輸出に依存する処理政策は曲がり角にきている。

 排出削減は喫緊の課題だ。ただ、環境省の素案はハードルが高いとして反発も出ている。企業や消費者の理解、協力が得られなければ画餅に帰することになりかねず、丁寧な説明が欠かせない。