イタリア公演に向けて練習に励むあわ工芸座のメンバー=徳島市のふれあい健康館

 徳島市の人形浄瑠璃座「あわ工芸座」が、19~25日にイタリア・トリノ市で開かれる国際交流イベント「第43回ジャパンウィーク」に出演する。今回初めて三味線奏者の鶴澤友輔さんが同行し、生演奏に合わせた義太夫節の響きを観衆に届ける。1981年結成のあわ工芸座が、イタリアで公演するのは初めて。

 ジャパンウィークはトリノ市のカステッロ広場やマダマ宮殿などを会場に、日本の約50団体(約千人)が出演する。あわ工芸座は20日、王立劇場「テアトロ・ピッコロ・レッジョ・プッチーニ」のステージで「本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう) 奥庭狐火の段」を披露する。

 参加するのは50~70代の座員15人。「本朝廿四孝」はキツネの霊が乗り移った主人公・八重垣姫の衣装の早変わりが見どころだ。

 あわ工芸座には三味線奏者がおらず、公演での音源はCDなどを使っていた。今回は生音の迫力を体感してもらおうと、後藤俊子座長(50)=徳島市紺屋町=の太夫の師匠に当たる鶴澤さんに出演を依頼した。後藤座長は「本物の人形浄瑠璃を披露したい思いでお願いした。名奏者のばちさばきを堪能してほしい」と話す。

 イベントを主催する公益財団法人・国際親善協会(東京)から出演依頼を受けた。あわ工芸座に入って10年になる原常雄さん(71)=徳島市幸町1=は「日本で一番人形浄瑠璃が盛んな徳島をPRしたい」と意気込んでいる。