8月末の台風10号で北海道が豪雨に見舞われた影響で、ジャガイモやニンジン、タマネギなど道産野菜の市場価格が高騰している。徳島県内の量販店でも小売価格が上昇。収穫量の激減が予想されるジャガイモは、高値が長期化する見通しだ。「食欲の秋」に影を落とす値上がりに、消費者からはため息が漏れる。
青果卸の徳島青果(徳島市北沖洲4)によると、9月に入り、道産野菜の卸売価格は例年に比べ2割ほど上昇した。とりわけジャガイモは1キロ当たり260~270円台と、昨年同期より8割アップしている。
キョーエイタクト店(同市南島田町3)では、北海道産のジャガイモ(4個入り)、タマネギ(3個入り)、ニンジン(3本入り)をそれぞれ258円で販売している。ジャガイモとタマネギは昨年同期より3割(60円)、ニンジンは6割(100円)高い。
いずれも食卓に並ぶ機会の多い野菜だけに、家計への影響は小さくない。同店に買い物に来ていた同市中島田町3の主婦河原陽子さん(61)は「天候の影響があるのは理解できないわけではないけど…台風がうらめしいですね」とこぼした。
吉峯亮副店長(49)は「仕入れ値が高騰しており、苦しい状況。今月は特売日を減らさざるを得ない」と話す。
13日から北海道の被害状況を視察している徳島青果の山田靖仁常務取締役によると、多くの道産野菜は輸送網が正常化する10月以降、例年並みの価格にまで下がる見込みだが、収量が大幅に減るとみられるジャガイモの価格は下がる見通しが立っていない。
山田常務は「十勝川の氾濫などにより、種芋までもが被害を受けている」と懸念する。