[上]堤防の完成イメージ。右が那賀川、中央が加茂谷中学校(那賀川河川事務所提供)

 国土交通省那賀川河川事務所は、2014年と15年の夏に台風による浸水被害を受けた阿南市加茂町で、那賀川と支流の堤防整備に着手し、16日、現地で初ぐわ式を行った。19年度に完成する予定で、事務所は14年の台風クラスの豪雨でも河川の氾濫が防げるとしている。総事業費は約64億円。

 堤防は加茂谷中学校近くを流れる那賀川の南岸に約800メートルと、支流の加茂谷川両岸に約1キロを整備する。国交省の試算では100年に1度の降雨に伴う那賀川増水時の最高水位が4・5メートルであることから、堤防の高さは6メートルと設定した。堤防上には幅7メートルの管理用道路を備える。

 加茂谷川は加茂谷中学校付近で蛇行しているが、水が流れやすくなるよう、堤防工事に合わせ、ほぼ真っすぐに改修する。樋門4基も新設し、2本の橋を架け替える。

 式は堤防整備予定場所で開かれ、国交省や県、市の職員や地元住民ら約40人が出席。那賀川河川事務所の野本粋浩事務所長や住民代表がくわを入れた。

 式に参加した加茂町運営委員会の長町達也委員長(64)=同市加茂町不け=は「浸水に悩まされた住民にとって、堤防は悲願だった。みんなが安心できる堤防を造ってほしい」と話していた。

 無堤地区の同町は14、15両年に相次いで台風による浸水被害に見舞われた。事務所によると、床上・床下合わせて14年は187戸、15年は57戸が浸水した。