強い台風16号は、20日夕に四国を縦断する恐れが出てきた。台風が予報円の中心をたどれば、徳島市などに大きな浸水被害をもたらした2004年10月の台風23号と同じようなコースとなり、台風の速さや前線の位置といった気象状況も当時と似ていることから、県内では記録的な大雨となる恐れがある。徳島地方気象台では「台風の進路が絞られてくる19日以降にならないと、おおよその雨量を予測するのは難しい」としており、台風の進路に気をもんでいる。

 気象庁が18日午後6時50分に発表した台風16号の進路予報では、台風が予報円の中心を通った場合、20日午後3時に足摺岬の西南西約40キロ付近に達し、その後、四国の南岸をかすめながら紀伊半島や東海地方を縦断して関東地方に向かうとしている。

 徳島地方気象台によると、18日昼の時点で中国地方に停滞していた前線は、20日にかけて四国の南岸まで南下する見通し。今回の台風と似た進路で四国の南岸を通った04年の台風23号も、日本の南海上にあった前線を刺激し、台風の進行速度も遅かったことから西日本に長時間大雨をもたらした。

 京都府舞鶴市で国道が水没、37人が乗った観光バスが立ち往生して乗客らがバスの屋根に避難した光景は記憶に新しく、徳島市でも園瀬川が氾濫するなど県内で約7200棟が床上・床下浸水した。このとき、床上浸水の被害が多く出た徳島、鳴門、小松島、吉野川の4市には災害救助法が適用されている。

 県内では南から湿った空気が入り込んでいる影響で、既に雨が降っている所がある。今後、台風16号の接近に伴って前線がさらに刺激され、台風本体の雨雲も入り込んでくると、大雨となる恐れがある。

 台風がどの進路を取るかによって県内への影響も変わってくる。気象台によると、台風の中心が中国地方や瀬戸内地方を通過すれば北部、南部共に雨量が多くなり、四国の南岸を通過して紀伊半島に上陸する場合は、南部で雨が多くなる。予報円の最も南側の太平洋上を通過すれば、県内への影響は小さく、雨量も少ない。

 気象台は「台風の進路が定まらないと、県内でどの程度の雨が降るのかを見極めることは難しいが、大雨が長引くようだと土砂災害への警戒が必要になってくる」としている。