合併前の麻植郡の名称の由来とされる麻の生産復活を目指す吉野川市麻シンポジウム(市主催)が19日、同市山川町の市アメニティセンターで開かれた。栃木県などの先進地事例が紹介され、市内外の約200人が麻の有用性について理解を深めた。

 日本麻振興会(栃木県鹿沼市)の大森由久理事長や鳥取県智頭町で麻の栽培加工会社を経営する上野俊彦さん、JA麻植郡の大久保公雄組合長ら5人が「吉野川市の麻産業創出に向けて」と題して討論した。

 大森理事長は昔から麻が神事や生活で使われ、日本文化と密接に関係してきた植物であることを力説。吉野川市での動きについては「旧麻植郡は麻の発祥地で、この地から栽培技術が広がった。また全国に発信できる事業にしてほしい」と期待を寄せた。

 産業用大麻の安全性についても触れ「県が開発した品種はほとんど麻薬成分がない。県が広報に取り組んだことで地元では無毒であることは理解されている」と周知の必要性も強調した。

 上野さんは食品や消臭剤などの自社商品を示しながら「いろんな効能があり、幅広い用途に使える」と紹介した。討論会に先立ち、大森理事長と上野さんの基調講演もあった。

 吉野川市の作業療法士黒川美宏さん(40)は「地名の由来は聞いていたが、麻の用途は知らなかった。取り組みが進めば面白い」と話した。