周囲が冠水し、避難した小屋から動けなくなった男性を救助する消防署員ら=午後0時7分、徳島市一宮町東丁

 強い台風16号は20日午前、四国沖を北東へ進み、台風本体の雨雲がかかった徳島県内は各地で大雨となった。気象レーダーの解析では、午前11時までの1時間に徳島市で約120ミリ、午前10時半までの1時間に阿南市でも約120ミリの猛烈な雨を観測し、徳島地方気象台は記録的短時間大雨情報を出した。気象台は土砂災害の危険が迫っているとして警戒するよう呼び掛けており、県内では約12万人に避難勧告・指示が発令されている。

 気象台によると、県内は午前9時すぎに風速25メートル以上の暴風域に入った。徳島新聞の正午現在のまとめでは、阿南市で1万2229世帯2万9966人に避難指示、8市町約3万9千世帯約9万人に避難勧告が出ており、329人が公共施設に避難している。県内全域に大雨、洪水、暴風警報、沿岸部に波浪警報、21市町村に土砂災害警戒情報が発令されている。

 県が徳島市丈六町に設置している雨量計では、午前11時までの1時間に123ミリの猛烈な雨を観測した。徳島市の入田町、八多町、国府町、阿南市上大野町でも100ミリを超える雨が降った。

 降り始めの17日午前11時から20日午前11時までの総雨量は、美波町281・5ミリ、海陽町279・5ミリ、那賀町木頭出原237ミリ、徳島市221ミリなどとなっている。

 県内は各地で浸水被害が出ている。徳島市一宮町東丁では周囲が浸水して孤立状態になった男性が救助された。阿南市橘町と海陽町四方原では国道55号が冠水し、通行止めとなっている。

 県内を発着する空や海の便が欠航するなど交通が乱れたほか、道路の通行止めや学校の休校などが相次いだ。

 台風は正午現在、室戸岬の東北東約40キロを時速40キロで北東に進んだ。中心気圧は970ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は35メートル、最大瞬間風速は50メートルとなっている。

 県内は午後も雨風が強い状態が続き、多い所で1時間に北部、南部とも100ミリの猛烈な雨が降る見込み。21日正午までに予想される24時間雨量は多い所で北部、南部とも200ミリとなっている。