徳島県議会の2011年度政務調査費が違法に支出されているとして、市民オンブズマンとくしまが飯泉嘉門知事を相手取り、県議ら3人に総額161万円の返還を請求するよう求めた訴訟の控訴審判決が20日、高松高裁であった。吉田肇裁判長は、庄野昌彦県議と笠井国利元県議に計約11万円の返還を求めるよう知事に命じた一審徳島地裁判決を一部変更し、庄野氏に新たに8585円の返還を請求するよう知事に命じた。

 判決によると、庄野氏が11年度に購入した記録用DVD100枚と動画編集ソフトについて、東日本大震災の被災地を訪問した際の映像を1枚に収録しただけと指摘。「政務調査活動にのみ使用されるものと認めることはできない」として、支出額の半分の8585円が政務費の使途基準に反するとした。

 オンブズマンの大久保初子代表は「訴えの大部分が認められず満足していない。上告するかどうかは弁護士と話し合って決めたい」と話した。庄野氏は「使途基準に反するとされた政務費は基本的に返す方向で考える」としている。県経営戦略部の大田泰介部長は「判決内容を十分に確認した上で対応を考えたい」とコメントした。