南海トラフ巨大地震への備えが急がれる中、徳島県内24市町村のうち8市町村で、水道管の耐震化率が10%以下にとどまっていることが、徳島新聞の調査で分かった。大規模災害が起きた際に壊れて断水する危険性があり、ライフラインの維持に深刻な影響を及ぼしかねない。一方、耐震化対策を迫られながら、人口減少などで水道事業の収入は減る見込みで、16市町村が今後水道料金の値上げは避けられないとしている。

 耐震化率が10%以下なのは、石井町や板野町、佐那河内村など。最低は上勝町の0%で、次いで那賀町の1・7%だった。このほか、10市町が30%以下で、50%を超えていたのは北島町だけだった。勝浦町と神山町は「不明」とし、把握すらしていなかった。

 耐震化率が低い理由としては、12市町が「耐震管への改修費用が高額で予算的に困難」といった財政難を理由に挙げた。上勝町は「耐震化が求められる以前に整備したものであるため」とした。

 今後の対策では、具体的な目標数値を決めていたのは吉野川市しかなかった。同市は耐震化率を現在の37・1%から、2018年度までに49%に引き上げる。他の自治体は「避難所や病院などにつながる重要な管路から計画的に耐震化を進める」(美馬市)などとの方向性を示すにとどまった。

 災害時に水道管が損壊すると、市民生活への影響が大きく、東日本大震災では、断水が長期化して復旧まで約五カ月を要した。

 一方、水道料金の今後の見通しについては、徳島、鳴門、阿南各市など16市町村が「上昇すると考えている」と回答した。このうち13市町村が「人口減少により収入減が見込まれるため」という理由を挙げた。他には「老朽化した水道管の耐震化や更新が必要となり、経営が圧迫されることが確実」(小松島市)などがあった。

 他の6市町は「上昇・下降するとも考えてない」と答えた。理由には「経営は良好で変更する必要がない」(藍住町)などの理由が上がった。2町は無回答だった。

 水道管の耐震化率 総延長に対して、強度の強いスチールやポリエチレンなどの素材を使った地震に強い管を敷設している割合。新設や取り替えの水道管の多くにはそうした素材の管が導入されているが、耐用年数を超えているような古い管は、耐震性が無いケースが多い。