平時は民泊として運営し、災害時には避難所として活用する「シームレス(つなぎ目のない)民泊」の計画を進めている阿南市新野町で24、25の両日、徳島文理大の学生らが「お試し民泊」を行った。泊まった感想を運営の参考にするのが目的で、学生からは「宿の提供者のプロフィルが分かると、宿を選ぶときに安心する」などの意見が出された。
お試し民泊は、シームレス民泊の発案者で阿南市参与も務める徳島文理大の床桜英二教授のゼミ生や同大の教員ら15人が参加した。
学生は24日夜、新野町内の住民らでつくるシームレス民泊推進協議会の会員宅6軒に2~5人に分かれて宿泊。25日は同市新野町秋山の四国霊場22番札所・平等寺に集まり、感想や改善点を述べ合った。
学生からは「親戚の家を訪れたみたいで落ち着けた」「もてなしの心がありがたかった」などと好評の声が相次いだ。「魅力づくりにジビエ(野生鳥獣肉)料理を提供しては」「近くにコンビニがないため、飲み物を販売してほしい」「食事付きと素泊まりの両方のプランを用意したらどうか」などの要望や提案もあった。
推進協の青江徳訓(とくのり)会長(57)=同市新野町大歳、建設業=は「参考になる意見が多かった。宿の提供者のプロフィルの公開はぜひ取り入れたい」と話していた。
市によると、民泊を避難所に活用するのは全国で初めての試み。推進協は6月に設立され、年内の開業を目指している。