祭りに向けて意気込む高木さん(後列右端)ら晩茶生産者=上勝町福原の福原ふれあいセンター

 上勝町特産「阿波晩茶」の生産者らが10月1日、同町福原の産直店・いっきゅう茶屋の特設会場で、晩茶に親んでもらう催し「上勝晩茶祭り」を初めて開く。後継者不足が進んでいる産地の活性化に向け、各生産者が今年作った茶を振る舞うなどして、特長や楽しみ方をPRする。

 阿波晩茶は、釜ゆでした茶葉を木製のおけに漬け込み、乳酸発酵させる独特の製法が特徴。祭りでは、午前10時~午後3時に生産者や喫茶店など12組が出店し、各生産者の茶を飲み比べたり、おいしい茶の入れ方を聞いたりして交流できる。晩茶を使ったクッキーやミルクで入れた「バンチャイ」も並ぶ。

 企画したのは、同町生実で晩茶を作る高木宏茂さん(40)。高木さんによると、茶葉を発酵させたり、乾燥させたりする期間などは生産者によって多少違いがある。茶葉に付く菌も場所によって異なり、個性ある味が楽しめるという。

 高木さんは徳島市出身。東京でのサラリーマン生活を経て、約5年前から晩茶作りを始めた。就農を目指して町の第三セクター・いろどりで農業を学んだのがきっかけ。テレビ番組で整腸作用など阿波晩茶の健康への効能が紹介されて人気が上がる一方、後継者不足から存続の危機にあることを知り、自ら生産することを決めた。

 「産地を守っていくため農家同士が手を結び、行動を起こさなければ」と、昨年から祭りの構想を温め、生産者や地域おこし活動を行う人に呼び掛けて準備を進めてきた。来年以降も続けていく考えで、祭りを通じ、生産者の意欲向上や後継者の確保につながることを期待している。

 2日には、東京の日本茶専門店の大山拓朗さんを招いて生産者向けの講演会も開く。消費者へのアプローチの仕方などを学び、今後の晩茶文化の可能性について共に考える。

 同町旭の菅蔵恵子さん(68)は「晩茶作りに70年携わる母の手法を受け継ぎ、生産に励んでいる。お客さんに茶作りにかける思いを知ってもらえたら」と期待を込めた。