災害時の避難所の運営方法について意見交換する参加者=美波町田井の町立美波病院

 海抜約23メートルの高台にある美波町田井の町立美波病院は、巨大地震発生時に病院内を住民の避難所として開放する。県の津波浸水想定では近くの地域のほとんどが津波で浸水するとされているため。避難所の運営は地元住民に任せることにしており、運営手順をつくる作業を住民と共に始めた。同様の手順作成に着手したのは、県内の11公立病院で初めて。

 美波病院は、浸水エリアにあった旧日和佐、旧由岐の両町立病院を統合して3月に開院した。近くの由岐湾内地区(西の地、東由岐、西由岐)は県の想定では南海トラフ巨大地震の津波で全約660世帯の9割が漬かるとされ、多くの住民が病院に避難するとみられている。

 このため、病院は玄関スペースを避難所として開放することを決めている。避難者名簿の作成や救援物資の配布といった運営は地元住民に担ってもらうことにした。

 玄関スペースの広さは約300平方メートルで、150~300人の避難者受け入れを想定している。ただ、感染症予防などのため、開放は1週間程度に限る考え。住民と運営手順について話し合い、年内に策定する「災害医療マニュアル」に盛り込むことにした。

 9月28日には病院で住民との意見交換会を初めて開き、由岐湾内地区の3自主防災会の代表者や町職員、医師、看護師ら25人が参加。避難者を受け入れるスペースなどについて説明した。今後も住民との意見交換や院内での協議を重ねながら手順をまとめる。