スマートフォンを手にして運転する「ながらスマホ」の自転車が歩行者に衝突して死亡させる事故が全国各地で相次いでいるのを受け、徳島県警と徳島文理大はスマホと自転車の同時使用に潜む危険性の調査に乗り出した。歩行者を認知するまでの時間などを調べ、事故抑止につなげる。年度内にも結果をまとめた動画を制作し、啓発に活用する。
昨年12月と今年6月に神奈川、茨城県で起きた死亡事故の加害者が大学生だったことから県警が徳島文理大に協力を求め、9月から松茂町満穂の県運転免許センターで調査を始めた。
調査は、自転車に乗った学生がスマホで会員制交流サイト(SNS)などを閲覧しながら、障害物のある直線コース約80メートルを走行。急に飛び出してくる歩行者を認知するまでの時間を測ったり、専用ゴーグルで視点の動きを調べたりする。
県警によると、県内で「ながらスマホ」の自転車による死亡事故は発生していないが、2016年7月には徳島市安宅2の県道で、スマホのゲームをしていた自転車の女子高校生が手押し車を押して歩いていた高齢女性に衝突。県警は女子高生に口頭注意した。
県警交通企画課は「調査を通して正確で詳細なデータが取れると期待している。データを基に分かりやすい啓発を行いたい」としている。