選挙権年齢が18歳以上に引き下げられて以降、徳島県内で初の地方選となる吉野川市長選(9日告示、16日投開票)が迫る中、市選挙管理委員会は10代への啓発活動をほとんど行っていない。7月の参院選では市内2高校で出前授業を行い、投票を呼び掛けていたのに対して一転、音なしの構えだ。選管は「出前講座は学校の行事との調整が難しく、短期間に何度もできない。チラシを配っても効果は限定的」と消極的な姿勢を示している。

 参院選での全国の18、19歳の合計投票率(選挙区)は46・78%で、過半数を割り込んだ。吉野川市でも18、19歳の合計投票率は県全体をわずかに超える36・23%にとどまり、24市町村で16番目と低迷。市の全世代の48・45%と比べても約12ポイント下回り、10代の投票率アップが課題となっている。

 こうした中で迎える市長選に関し、市選管は7、8月発行の広報紙では選挙日程などの情報を中心に掲載。18歳選挙権については選挙権年齢が引き下げられたことを伝えるのみだった。市長選が選挙権年齢引き下げ後、県内初の地方選であることや、選挙権の行使(投票)を呼び掛ける記述はない。市ホームページでも、投票場所や期日前投票の日程などが大部分を占める。

 参院選前の5月には市内の川島、吉野川両高校で出前講座を行ったが、今回は出前講座も模擬投票も行う予定はない。独自のチラシやポスターなどによる啓発も行っていない。市選挙管理委員の1人は「長期的に取り組むことが大事だが、投票率向上に結び付く効果的な方法はない」と話した。

 鳴門教育大大学院の山本準教授(社会学)は「より身近な地方選挙は、若者が政治に関心を持つ絶好の機会。市選管は選挙権年齢の引き下げで機運が高まっている今だからこそ、積極的に啓発活動するべきだ」と指摘している。