がんカフェの運営について話し合う小林さん(右)ら=徳島市幸町3の徳島インマヌエル教会

がんカフェの運営について話し合う小林さん(右)ら=徳島市幸町3の徳島インマヌエル教会

 がん患者らがお茶を飲みながら悩みなどについて語り合う対話の場「賀川豊彦記念 がんカフェ とくしま」が22日、徳島市幸町3の徳島インマヌエル教会にオープンする。生きる支えとなる言葉を“処方”する「がん哲学外来」を実践し、対話によって不安を和らげようと、有志が準備を進めている。

 がんカフェは、医師と十分に対話する時間がない患者同士が悩みを共有する場で、順天堂大医学部(東京)の樋野興夫教授が同大近くで始め、全国に広がっている。

 徳島インマヌエル教会では毎月第4土曜日の午後1時半から同3時まで開く。医師や心理士らがリーダーとなり、7人程度のグループで互いに病気の悩みや希望を語り合う。「言葉の処方箋」と呼ばれる樋野教授の考え方なども紹介する。

 この教会に通うがん患者が、横浜市のがんカフェに参加したのをきっかけに、徳島でも取り入れようと準備を進めてきた。9月19日には樋野教授を招いて教会で講演会を開いた。

 カフェの名称は、がん哲学外来の考え方に影響を与えた新渡戸稲造と親交のあった賀川豊彦にちなんで樋野教授が命名した。県内ではほかに、鳴門市撫養町大桑島の鳴門キリスト教会でもがんカフェが開かれている。

 徳島インマヌエル教会でのカフェの代表を務める小林尚明牧師(56)は「話を聞いてくれる人がいて、安心したり励まされたり。そんな癒やしの場になれば」と話している。

 今年は10月22日のほか、11月26日、12月24日に開く。問い合わせは教会<電088(652)2481>。