ふるさと納税の返礼に加わった佐那河内すだち連の阿波踊り=佐那河内村民体育館

ふるさと納税の返礼に加わった佐那河内すだち連の阿波踊り=佐那河内村民体育館

 佐那河内村は、ふるさと納税制度を使った寄付の返礼品に、地元の「佐那河内すだち連」による阿波踊りを加えた。寄付してくれた人の元に連員35人が出向いて踊りを披露するとともに、村や特産のスダチの魅力を直接伝える。県内外の自治体がふるさと納税の寄付金獲得に知恵を絞る中、ユニークな取り組みとして注目を集めそうだ。

 阿波踊りが返礼の対象になる寄付額は、寄付者の住居地によって異なり、県内は20万円、中国・近畿は250万円、関東は450万円などとなっている。連員が出向くための交通費は村が負担する。

 村への2015年度のふるさと納税制度による寄付は18件、247万5千円。村は寄付を増やすため、16年度から民間が運営するインターネットのふるさと納税サイトに参加したり返礼品の充実を図ったりと、取り組みの強化に乗り出した。

 村は、スダチや季節の農産物といった返礼品を充実させるため、村内の事業者らから商品を公募。佐那河内すだち連が阿波踊りを提案し、採用された。

 佐那河内すだち連は1985年に結成され、現在、村在住者や出身者ら4~78歳の約70人が所属。納涼夏まつり、あじさいまつりなどの村の行事や、徳島市の阿波踊りに踊り込んでいる。2015年8月には村の魅力や特産のスダチをPRする「佐那河内村・すだち宣伝隊」に任命された。

 山田真也連長(43)=同村下、建築業=は「スダチや阿波踊りをもっと広めたい。有名連とは一味違う、和気あいあいとした佐那河内らしい雰囲気も楽しんでもらいたい」と、返礼できるのを心待ちにしている。