先日、県出身の音楽プロデューサーと話していて、都市部のミュージシャンに徳島でレコーディングしてもらえるような環境をつくろうというアイデアで盛り上がった。東京だとスタジオを借りるだけで1日10万~20万円かかる。なぜそんなに高いか。そもそも家賃が高いし、スタジオのスタッフにも東京で住めるだけの給料を払わないといけない。それなら徳島でやればうまくいきますよね。

 新しい音楽をつくりたくても、お金が理由でできない人がたくさんいる。彼らに徳島で合宿してもらい、徳島のスタジオでレコーディングしてもらえるような拠点を、廃校などを使ってつくる。徳島に来る費用は多少かかるが、滞在中は制作に集中できるし、自然と触れ合う中で感じるものを音楽にできるというのはすごく受けがいいだろう。

 アイデアはみんな持っている。でも1人ではできない。だからアイデアを吸い上げて、チームを編成する人が要る。僕は徳島でその役割を果たしたい。外部から有力者を引っ張ってくるだけではなく、地元で、自分たちが作り込むことでしかできないものもある。

 以前は自分自身ができることを自分でする、という感覚が強かった。でも僕はもともと飛び抜けたタイプではない。結果的にフラットな人間関係の中で未来志向のアイデアを聞き、本当に適切な人同士をつないでいくというスタイルに変わってきた。目指しているのは「リアルフェイスブック」。そのためには先代が残してくれた林業と税理士、公認会計士としての仕事を通して、僕自身が経済面でも、社会面でも、心の面でもちゃんと力を付けないといけない。

 求める人材は・・・金髪。僕は金髪は採用する。なぜかというと、「自分は違うんだぞ」と表現することにためらいがないから。アワードではもちろん、金髪でなくても、何かを本当に訴えたい、相談したいと思う人がいればしっかり応えたい。それが自分の力にもなるだろうし、僕が困ったときは助けてほしいという気持ちもある(笑)。

 おかだ・いくひろ 那賀町(旧木頭村)出身の林業家19代目。公認会計士、税理士。慶応大経済学部在学中に公認会計士試験に合格。旧中央青山監査法人金融部で6年間、ファンド関連監査や不動産流動化などの業務に従事する。環境監査部に異動後は、再生可能エネルギー関連事業を手掛けるスマートエナジー(東京)の立ち上げに参画。2007年、森林管理会社フォレストバンク(徳島市)を設立。14年ゲンボク代表取締役に就任。四国出身の首都圏在住者でつくるコミュニティーHIP(ホーム・アイランド・プロジェクト)元代表。徳島市在住。36歳。