三好市山城町の山城茶業組合などが、台湾中部・南投県で8~16日に開かれる「南投世界茶業博覧会」に、市産の茶を初めて出品する。妖怪伝説を通じた民間団体の日台交流が縁で、同県から参加を打診された。今後、両地域の製茶の技術交流や製品の相互販売につなげたい考えだ。
博覧会は、台湾産茶の歴史や文化を知ってもらおうと、茶葉の生産量が台湾で最も多い南投県が2010年から毎年開催。日本や韓国、英国などの製品や飲み方も紹介され、1日千人以上の来場が見込まれている。
三好市からは、山城茶業組合と同市山城町の住民団体「四国の秘境 山城・大歩危妖怪村」の会員、市職員の計5人が訪台する。8、9の両日にブースを出し、同市大歩危・祖谷地区で収穫、加工された「歩危銘茶」と「天空ノ山茶」を試飲してもらう。
チラシの配布や動画の放映を行うほか、こなきじじいなどのご当地妖怪に扮するなどして、市の観光名所もPRする。
妖怪村のメンバーが8月、友好交流協定を結ぶ「台湾妖怪村商圏発展協会」(南投県)を訪れた際、面会した陳正昇副県長から参加を提案された。両地域はともに茶どころとして知られるが、製法や味、香りなどに違いがあるため、「相互に学び合うのはもちろん、製品を販売し合うことで需要拡大につなげよう」と協力を呼び掛けた。
同組合事務員の中島眞知子さん(65)=同市山城町上名=は「三好の茶の良さを発信し、海外の製法や飲み方をしっかり吸収したい」と意欲を見せている。