パラオから一時帰国し、不発弾処理の状況を説明する白木さん=牟岐町内
今年6月、パラオで不発弾を海底から引き揚げる白木さん(右)(白木さん提供)

 太平洋のパラオ諸島で不発弾処理に携わっている海上自衛隊第24航空隊(小松島市)の元幕僚、白木健治さん(54)が、牟岐町内妻の実家に一時帰国した。9月までの約8カ月間で、海中に沈んでいた約150個の不発弾を爆破処理したという。白木さんは「しばらくは危険除去に貢献したい」として再びパラオに向かった。

 白木さんは、NPO法人「日本地雷処理を支援する会」(JMAS、東京)の一員として、他の元自衛官3人と現地スタッフでチームを編成。昨年末にパラオ入りした後、今年2月から本格的に活動を始めた。

 白木さんらは、中部のマラカル島や南部のペリリュー島周辺の海に潜り、水深約40メートルに沈んでいる輸送船から砲弾や爆雷を毛布で包んで船まで引き揚げた。回収した爆発物は、同じ地域で活動するノルウェーのNGOと協力し、住民のいない山中で薬品を使って爆破処理している。

 現地の新聞で取り組みが紹介され、住民から「ありがとう」と声を掛けられることもあるという。

 活動は最長で4年程度。その間に全ての不発弾を処理するのは難しいため、現地の警備隊に技術などを指導する計画も立てている。

 白木さんは「住民の役に立てていると感じる。現地の人と交流を深めながら、潜水技術などを伝えたい」と話した。

 太平洋戦争の激戦地パラオでは、日本軍や米軍が爆弾2800トンを投下したり持ち込んだりしたとされる。