大相撲阿南場所を前に、道具を使って土俵を固める生徒たち=阿南市スポーツ総合センター

 阿南市七見町の市スポーツ総合センターで23日、大相撲の地方巡業「大相撲阿南場所」(実行委主催)が開かれる。横綱稀勢の里関や鶴竜関ら力士と相撲部屋関係者約230人が22日、同市入りした。地元の高校生や相撲部員らは、力士を快く出迎えようと、ボランティアで土俵作りに汗を流した。

 ボランティアは主催者が県教委を通じて募り、地元の阿南工業高校機械科の3年生と板野、名西両校の相撲部員計28人が参加。土俵整備を担当する「呼出」3人の指導で、メインアリーナの中央部に地方巡業で使われる簡易の土俵の枠を搬入し、組み立てた。

 その後、土俵に入れる土約8トンを手押し車で運んで足踏みをしたり、「小タコ」と呼ぶ木製道具を使って土を押し固めたりした。

 23日は巡業を観戦するとともに、チケットのもぎりや終演後の片付けなども手伝う。生徒たちによると、大関の豪栄道関、ジョージア出身の栃ノ心関らが人気という。

 阿南工高の吉田眞太朗さん(18)は「自分たちが作った土俵で、存分に取り組みをしてほしい」。板野高1年の相撲部員柳本晃志(こうし)さん(16)も「力士の取り組みを肌で感じて、勉強したい」と意欲を見せていた。

 大相撲阿南場所は、子どもや高齢者らに相撲の取り組みや稽古を生で見てもらい、地域活性化につなげようと地元住民でつくる実行委が企画。県内での巡業は2016年以来2年ぶりで、阿南市での開催は初めて。

 主催者は当日券を約100席用意し、午前8時から市スポーツ総合センターで販売する。問い合わせは実行委<電0884(24)8815>。