7月23日以降、鳴門市大麻町の巣を離れていなくなっていたコウノトリの雄(5歳)が10日、約3カ月ぶりに巣に戻った。8月2日に京都府内で目撃されたのを最後に居場所が分からなくなっていただけに、地元住民らは「よく無事で帰ってきてくれた」と大喜びしている。
鳴門市鳴門町でタカの渡りを調査していた日本野鳥の会県支部の会員が午前11時45分ごろ、1羽のコウノトリが大麻町方面に飛んでいくのを見つけた。正午すぎ、上板町の第十堰に飛来し、雄とペアを組んでいた雌(3歳)と兵庫県朝来市生まれの雌(2歳)との3羽で過ごしているのを住民が目撃した。足輪を確認し、行方不明だった雄と分かった。
3羽は午後1時すぎ、巣の周辺に戻った。観察者によると、雌の2羽はくちばしを打ち鳴らしたり、雄が近づくと飛んで逃げたりして警戒するそぶりを見せた。
3羽で上空を仲良く旋回する光景も時折みられ、住民は「お帰り」「もうどこにも行かないでね」などと声を掛けながら、写真に収めていた。
巣周辺で観察を続けている浅野由美子さん(43)=鳴門市大麻町桧、パート従業員=は「いつかは帰ってくると思っていたけど、元気な姿を見てほっとした。ペアを組んでいた雌と再び繁殖してほしい」と話した。