2014年度に県内で先駆けて小中学校の土曜授業を始めた石井町教委が、17年度からの変更を目指し、見直しに乗り出した。児童・生徒や教員、保護者から意義や効果を疑問視する声が絶えず、スポーツ大会など社会体育活動に伴う欠席が目立つため。町教委は土曜授業の回数を減らすとともに、夏休みなどの長期休暇を短縮する案を軸に検討している。
石井町の土曜授業は、行事を土曜に集中させ、平日の授業時間に余裕を持たせるとともに、地域住民を巻き込んだ特色ある学習を進めるのが狙いだ。
しかし、休んでも教科の授業時間に影響がないため、部活動やスポーツ少年団活動に伴う欠席が常態化。教員からは負担増への不満が募り、14年度を終えた時点でのアンケートでは「実施しないほうがよかった」が「どちらかと言えば」も含めて児童・生徒で63%、教員で95%に上った。
15年度は開催回数を毎月1回から年8回に削減した。県体協などに土曜にスポーツや文化の行事を避けるよう要望もしたが、社会体育活動に伴う欠席は無くならず、アンケートの否定的回答は、児童生徒が67%、教員が88%だった。
16年度は、開催回数をさらに2回減らした。それでもスポーツ大会が重なった9月は5小学校で78人、7月は2中学校で42人が欠席した。
町教委は、18年度から小学校で英語の教科化が段階的に始まるため、授業時間の確保は不可欠とし、土曜授業と長期休暇の短縮で対応する「併用案」が浮上している。11月に学校アンケートを行い、最終的に決める。
武知光子教育長は「地域学習など土曜授業のいい面は継続しながら、長期休暇の短縮を含め対応したい」と述べた。
県内では土曜授業を行っているのは1市6町で、長期休暇を短縮しているのは4市6町。三好市が併用している。