【上】公開されている史料を見る学生ら=徳島市の四国大付属図書館【下】稲垣家の子孫から寄贈された象五郎の写真(撮影日不明)

 徳島藩主の蜂須賀家に仕えた「稲垣家」の系図など貴重な史料が、子孫から徳島市の四国大に寄贈された。徳島に来ることになった経緯や、廃藩置県後に武士やその子孫がどのように暮らしを立てたかなど、当時の様子がうかがえる。四国大付属図書館で11月30日まで公開されている。

 秀吉の側近だった尾張(現愛知県西部)の蜂須賀正勝が功績を認められ、嫡男の家政が徳島藩を統治することになった際、家政に招かれた正勝のおい田川忠右衛門重家が、稲垣家のルーツ。重家の孫の重久から稲垣姓を名乗るようになり、藩士として蜂須賀家に仕えた。

 展示されているのは、8代軍兵衛が作成した稲垣家の系図のほか、江戸時代末期から明治時代を生き、警察官として徳島県の発展を支えた稲垣象五郎らの写真、明治時代に軍人となった子孫の経歴書など約80点。稲垣家の系図の中には「6代信安のときに蜂須賀家から200石と家屋敷を与えられ、奉行に任命された」との内容が記されている。

 子孫の稲垣和紀さん(65)=徳島市中前川町、会社員=が「自宅に伝わる史料を役立ててほしい」と四国大に139点を寄贈し、同大が歴史的価値の高いものを一般公開することにした。

 博物館学芸員の資格取得を志す学生23人が須藤茂樹准教授の指導で史料を精査し、配置を考えた上で説明文などを手作りした。企画に携わった文学部日本文学科4年の福見智子さん(21)は「時代が変遷する中、藩士やその子孫がどのように生きてきたのかが分かる。歴史に興味を持つきっかけにしてもらえたら」と話している。

 観覧無料。問い合わせは図書館<電088(665)9917>。